「人件費が高い」「バイトを減らせ」と言われても、現場ではなかなか簡単にいきませんよね。
でも、店長が“数字の見方”と“組み立て方”を知っていれば、現場の力で人件費は確実にコントロールできます。
① まず「人件費率」を把握する
人件費率とは、売上に対して人件費がどれくらいの割合を占めているかを示す数字です。
計算式はとてもシンプルです。
人件費率(%)=(人件費 ÷ 売上)× 100
例)人件費30万円 ÷ 売上100万円 ×100=30%
飲食店では、一般的に28〜32%が目安とされています。
この数字を定期的にチェックするだけで、「今月は多い?少ない?」の感覚が掴めてきます。
② 売上に合わせてシフトを組む
多くの店で見落とされがちなのが、「売上予測」と「シフト計画」の連動です。
例えば、雨の日やイベント翌日などは来客が減る傾向があります。
そのような日は、最初からスタッフ数を絞ってシフトを組むのが基本です。
- 曜日ごとの売上データを把握する
- 天気・イベント・給料日などの傾向を読む
- ピークタイムだけ人数を増やす
「感覚」ではなく「数字」でシフトを組むこと。これが、無理なく人件費を下げる第一歩です。
③ 戦力化のスピードを上げる
同じ時間働いても、生産性の高いスタッフが多いお店は人件費率が低くなります。
つまり、「早く一人前にする」ことが最大のコストダウンです。
- 新人教育マニュアルを作る
- 動画・写真で覚えやすくする
- 得意分野を活かして配置する
「教える時間」も人件費です。
一人が早く成長するほど、チーム全体のコスト効率が上がります。
④ 労働時間の「ムダ」を見つける
開店準備・片付け・発注など、「なんとなくやっている時間」にムダが隠れています。
たとえば、開店30分前に全員集合しているけれど、実際は15分で十分な場合もあります。
- 作業順序を見直す
- シフトイン・アウトを5〜10分単位で調整する
- 時間外労働を把握して、原因を探る
「みんながやっているから」ではなく、「本当に必要か?」を考えることが、店長の仕事です。
💡まとめ:
人件費をコントロールするとは「削る」ことではなく、「数字で判断し、最適化する」こと。
売上予測とシフトを連動させ、教育と時間管理を整えることが、現場の利益を守る最大の武器になります。


コメント