冷蔵庫を開けるたびに−2点? ムダ動作を減らす厨房改革

1現場の悩み・解決法

昼のピーク。
麺を茹でている横で、トッピングを探して冷蔵庫を開ける音がする。
その瞬間、厨房の流れが一瞬止まる。
「あれ?あの具材どこだっけ?」
――この“わずか数秒”のムダが、1時間で何十回も起きている。

気づいている人もいれば、気づいていない人もいる。
けれど、この小さなズレが積み重なると、
「なんか今日は回らなかったな」に変わっていく。

実は、この“なんか”の正体こそが、オペレーションの構造にある。ベテラン料理人や職人はすぐ配置できる。が、
経験やセンスに頼らず、誰でも同じ動きができるようにするには、
厨房を「減点方式」で見直すと一気に見えてくる。

感覚の仕事を見える化する

飲食の現場は感覚で成り立っている。
「勘がいい」「回せる」「リズムを崩さない」――
こうした言葉は現場では褒め言葉だが、同時に「共有できない力」でもある。
だからこそ、感覚を“数値化”して共有する仕組みが必要になる。

たとえばこんな見方ができる。
冷蔵庫を開けに行くたびに−2点。
まな板を共有して待ちが出れば−3点。
反対に、手元に全てをそろえてから作業できたら±0点。
この考え方を続けると、ムダな動きが見えるようになる。

なぜ減点方式なのか

人は“できていること”より、“失っていること”に気づきやすい。
だから、減点で見ると改善点が明確になる。
「なにを減らせば早くなるか」「どこで止まっているか」。
その視点が生まれた瞬間に、オペレーションは強くなる。

今日からできる第一歩

  • 調理台の上に「よく使うもの」を3つだけ置く
  • 冷蔵庫を開けた回数を1時間だけ数えてみる
  • 1つのメニューを“ひとり完結”でやってみる

この3つをやるだけでも、厨房の「流れ」が変わる。
動線を変えれば、スピードも、スタッフの余裕も変わる。
厨房の効率化は、“やる気”より“設計”で決まる。

――続く:「セル方式」でチームが回る仕組みへ

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