FL管理の「F=食材費」|見えないムダを見える化する

「FL」という言葉をよく耳にすると思います。これは、F=Food(食材費)・L=Labor(人件費)の略称で、店長が最初に理解すべき数字の基本です。
まずは「F=食材費」について考えてみましょう。

1. 「レシピが決まっている=管理できない」と思っていませんか?

多くのチェーン店では、レシピが本部で決まっているため、「自分には食材費のコントロール権限がない」と感じる店長も多いでしょう。
しかし、実際は現場レベルで管理できる“F”の要素がたくさんあります。

2. たとえば「大根おろし」を考えてみましょう

大根を一本100円で仕入れたとします。
単純な数字に見えますが、実はここに多くの“差”が生まれます。

  • 🌱 仕入れ先と季節:夏と冬では単価が違う。
  • ⚖️ 大根のサイズ・重さ:同じ1本でも歩留まりが異なる。
  • 🥬 鮮度:管理が悪いと、すぐにスが入って廃棄率が上がる。
  • ❄️ 保存方法:冷蔵庫の整理整頓、ラップの有無、カット面の保護で日持ちが変わる。

つまり、「同じ100円の大根をどれだけ活かせるか」が店長の腕なのです。

3. 現場で“F”を改善する3つの視点

  1. ① 廃棄率を数字で見る
    「1本100円のうち、どれだけ使えたか?」をざっくりで良いので記録しましょう。
    例:80%使えた → 実質原価125円 60%なら166円です。数字にすると現実が見えます。
  2. ② 保存と衛生を徹底する
    食材は“冷やす”より“守る”が大事。
    きれいな冷蔵庫・乾いた手・正しい温度設定だけでロスが減ります。
  3. ③ 使い切るオペレーション
    余った大根おろしを定食の副菜に回す・翌日のまかないに使うなど、廃棄ゼロ発想が利益を生みます。

4. 「F」を変えれば利益はすぐ変わる

F=食材費は、たった1%の改善でも月次で大きな差を生みます。
例えば月商300万円の店舗なら、食材費1%削減=年間36万円の利益改善です。
だからこそ、店長が日々「どう扱うか・どう残すか」に意識を向けるだけで、数字は確実に変わります。


📘 次回は「L=人件費」。
同じFLでも、人件費は“時間のコントロール”で変わります。
続きは 労務管理カテゴリー へ。

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